第4回『“本当は素敵な関係”』

2013年12月19日更新

第4回は撮影中のDVD映像のなかから、夏にもちらっと聴いていただいた『faraway song(仮)。』を御覧ください。

(動画の公開は終了いたしました。)

監督の名嘉真さんの横でスズキも一部編集に参加、カメラの切り替わりで印象がまったく変わったりリズムが出たりすることにびっくりしております。

映像の編集は音楽のレコーディングに似てるんじゃないかな、と名嘉真さんが仰っていた通り、こっちの方が良い、これの方が好き、とひとつひとつのショットをつないでゆく過程は想像以上に音楽と良く似ています。

嫌い、とか好き、を一瞬で判断する“感覚”は実は非常に論理的なものかもしれないですね。その時説明出来ないだけで、人間の機能や直感ってコンピュータなんかよりずっとパワフルで正確なんじゃないでしょうか。

演奏しているのは第ニ回に登場していただいた製作家・深町研太さん作のフォルテピアノです。ピアノより小さく音は非常に軽やかで、調律は「八分の一」の古典調律です。

バースデー動画の同じ曲と比べてみてください。あちらは平均律に調律したわたしのピアノです。

もうバレていると思いますが、この曲はバーズの『ミスター・タンバリン・マン』の有名なリフを全編で流用しています。12弦のエレキ・ギターでやるべきところをピアノの絶え間ないリフにしてみたのですが、平均律のピアノでやっている時はあくまでも「ギターの代替」のように聴こえていました。同じ曲、同じリフをフォルテピアノでやってみたらまったく違う世界が見えてきました。

重々しさのない軽やかな感覚は歌詞にとても良くリンクしていると思うのは作者の欲目でしょうか?最早フォルテピアノのためのリフとしか思えないのです!

楽器の構造のせいなのか八分の一の調律のせいなのか。。。次回はもうちょっと“感覚の論理化”を追及してみたいと思います。

映像は2台のカメラの9つのカメラアングルから成っています。。。成っているのだそうです。だから何度もテストをして本番にいくんですね。レコーディングで何度も別のテイクを録ることと本当によく似ていると思いました。楽器の全景やディテイルにも是非注目していただけたら嬉しいです!